写真師徒然〜小川保の写真的日常〜

水をテーマに撮影を行っている、写真師・小川保のブログです。ファインダーを通して見つめた日々のことを書きつづります。
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リブリーザー デビュー♪ その2
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    引き続き、リブリーザーデビュー♪のお話しです。
    久々の更新と思いきや、連日の更新…
    写真師・小川って、そんな男なんです
    「熱しやすく、冷めやすい…」(笑)


    リブリーザーといっても…
    呼吸排気から二酸化炭素を除去し、代謝で少なくなった酸素を加え、再び呼吸する「再循環式呼吸装置」を「リブリーザー」と呼ぶが、リブリーザーを大きく分けると、SCR(Semi Closed Rebreather)とCCR(Closed Circuit Rebreather)の二つに分けることができる。

    SCRとCCRでは、何が違うのだろうか?ダイバーが呼吸することによって排出された二酸化炭素をスクラバーキャニスターによって吸着するのは、どちらも同じだが、代謝によって減少した酸素を補う方法が違ってくるのだ。

    CCR(Closed Circuit Rebreather)は…
    酸素分圧センサーによってシステム内の酸素の量を計測し、不足している分
    を電気弁で純酸素のタンクから送り込む方式になっている。酸素分圧を計測して不足しているだけの酸素を供給するので、最も効率がよく排気が出ない。
    センサーと弁←CCR(インスピレーション)の酸素分圧センサーと電気弁。三つある白いカプセル状のものが酸素分圧センサー、銀色のものが電気弁。

    SCR(Semi Closed Rebreather)は…
    二酸化炭素を除去するまでの方法は同じだが、代謝によって消費された分の酸素の供給を酸素分圧のセンサーや電気弁を使わず、空気よりも酸素濃度の高いEAN(Enriched Air Nitrox)のタンクから、常時、一定量をシステム内に放出して補う方法。システムに供給されるEANの酸素の量と代謝によって消費する酸素の量との差の分、EANに含まれる窒素の分が余剰ガスとして水中に若干量、放出される。
    ←SCR(ドルフィン)のセカンドステージ。青いバンドの部分に一定流量を保つオルフィスが内蔵され、常に一定流量の呼吸ガスが供給される。

    というわけで、「リブリーザーを始めよう!」といっても、CCRかSCRかで内部の構造はまったく異なり、さらに指導団体の認定も機種ごとになっている。つまり、リブリーザーのトレーニングを受けるにあたり、自分がどの機種を使いたいのかを明確に決める必要があるのだ。


    小川のリブリーザーはドレーガ社ドルフィンに…
    これに決めました←ドレーガー社製SCRドルフィンを手にCCRインスピレーションをならべて、パチリ!並べると、けっこう大きさが違います。

    リブリーザーのトレーニングを受けるには、自分がどの機種を使うかを決めなくてはならない。
    でもって、写真師・小川はドレーガー社のドルフィンというSCRでトレーニングを受けることにした。
    ドレーガー(ドレーゲルという表記もあります)という会社はドイツの医療機器や呼吸関連機器を製造するハイテク企業で化学防護服やガス検知器、医療の分野では人工呼吸器や麻酔装置なんかを作っている会社だ。水中での呼吸装置であるリブリーザーも関連性のある機器なのでお手の物…かな。
    CCRのインスピレーションも選択肢として、無いわけでもなかったが、リブリーザーを「目的」として使うのではなく、撮影のための「手段」として使うためには…

    1、なるべくシンプルでトラブルの要素が少ないこと。
    2、撮影時の機動力、現場への移動のため、なるべくコンパクトなもの。
    3、供給ガスやタンクのサイズなど撮影現場で汎用性の高いもの。
    などの理由で、今回は見送り(今後の展開は・・・笑)にしました。

    1、なるべくシンプルでトラブルの要素が少ないこと。
    撮影のお仕事でロケに出る場合、撮影機材のメンテナンスは必須となり、加えてリブリーザ機器のメンテナンスが必要となると、なるべくシンプルで使いやすいモノにとどめたい。ガス供給タンクから物理的なフローバルブによってシステム内にガスを供給するSCRドルフィンは、ひじょうにシンプルでトラブルの要素は、電子制御によるCCRなどに比べると格段に少なく、高価なわりに寿命の短い酸素分センサーのような交換消耗部品のようなものも無いので維持管理もしやすい。

    2、撮影時の機動力、現場への移動のためなるべくコンパクトなもの。
    水中での撮影は、常に静的な撮影とは限らず、泳ぎながらの撮影が要求される場面もある。遊泳時に抵抗となる潜水器材はなるべくコンパクトなものが望ましい。インスピレーションの陸上重量24キロ(エボリューション)に対し、ドルフィン15キロという差は大きく、航空機での移動なども考慮するとドルフィンのほうに軍配が上がる。

    3、供給ガスやタンクのサイズなど撮影現場で汎用性の高いもの。
    EAN(Enriched Air Nitrox)は、海外・国内のダイビングエリアで普及しており、今までの撮影でも、たびたび使ってきた。ドレーガー・ドルフィンはEAN32、40、50、60が使用でき、特にEAN32は一般的なナイトロックスとして最も普及しているので、入手が容易。逆に純酸素となると…あまり一般のダイビングサービスで供給されるかどうか疑問がある。さらにそれらに使用するタンクのサイズもカバーに内蔵するインスピレーションはサイズが限られるが、ドルフィンは外部に普通のBCDと同じようなバンドで固定するので、あらゆるサイズのタンクが固定できる。
    インスピレーション内部ドルフィンタンク←左がCCRインスピレーション、右がSCRドルフィン

    などなどの理由で、写真師・小川はドレーガー社のSCRドルフィンにしました。もちろんCCRの機器が優れている部分も多いのですが、それを「目的」として使うか「手段」として使うかという部分で…、そしてその手段として想定される状況を考慮してこの答えを出しました。
    例えるなら、走りを追求し、整えられた環境で万全のサポート体制のある状況下で走る高性能なレーシングカーを選ぶか、あらうる環境のなかでの耐久性や汎用性を追求し、移動の手段としての一般車を選ぶか…ということでしょうか(笑)


    ではでは……
    明日からテレビの収録で沖縄に行きます。
    撮影は…リブリーザーで、「リブってきま〜す♪」(笑)


    【警告】本ブログ内に記載されている潜水方法、撮影方法の記述は写真師・小川保の体験や経験をレポートしたものです。あくまでもレポートとしての発表であり、取扱説明を目的としたマニュアルではありません。よって本記述事項を活用して起こった損害や障害に関して当方では一切の責任を負いません。
    【2009.03.15 Sunday 06:51】 author : tamon-s | 機材のおはなし | comments(0) | - | - | - |
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