写真師徒然〜小川保の写真的日常〜

水をテーマに撮影を行っている、写真師・小川保のブログです。ファインダーを通して見つめた日々のことを書きつづります。
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リブリーザー デビュー♪
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    ひさびさの更新です。
    ひさびさなので、何を書こうかと…
    ネタは色々ありまして。
    「この時期の小川はヤッパリ、ザトウクジラでしょ」
    とか、
    「お仕事の話とか撮影日記が見たい…」
    とか、
    「写真家協会の講演会の様子は…」
    とか、
    「趣味のお相撲観戦は…」
    とかとかのリクエストがありますが、今回は…

    「リブリーザー、デビュー♪」
    のおはなし
    ドルフィンこんな感じドルフィン後姿

    ザトウクジラのシーズンだし、そろそろ大相撲・大阪場所が始まるけど、今回はリブリーザーのお話です。


    お話を進める前に…
    「リブリーザーって何なの?」って人もいると思うので、まずはその辺から。
    リブリーザーっていうのは、ダイビング器材の一種で、簡単に言うと自分が呼吸で吐いた息から二酸化炭素を取り除き、体内に取り込んで少なくなった酸素を添加して再度呼吸できるようにして循環させるダイビング器材のこと。
    普通のスクーバダイビングの器材のように一呼吸ごとにブクブクと海中に排気しないで、吐いた息をシステム内で循環させ、不足している分だけ酸素を補うので、効率がよく、泡が出ないというメリットがある…というのが、リブリーザーというダイビングのお道具。

    初めての出会い…
    1996年…東京日産が純国産レジャー向けリブリーザーとして「グランブルー・フィーノ」を発売した頃、螢璽セルが研究・開発を進めるリブリーザ「スクビーノ」というのがありました(超〜マイナーですが…)。当時、蠖綯翅し船札鵐拭次撮影課カメラマンだった写真師・小川は沖縄ロケの合間にこの「スクビーノ」なるリブリーザのプロトタイプを試用し、カメラマンの立場から、その使用感などの意見を求められる機会があった。
    当時の写真師・小川には、リブリーザーの知識はほとんど無く、日産が華々しく発表した泡の出ないダイビング器材「グランブルー・フィーノ」のイメージが強く頭に焼き付いていた。
    で、使ってみました。
    すると……
    すっげー!静か!!
    今まで聞き慣れていた「シュー、ゴボゴボゴボ」がまったくしない世界。
    音もしなければ、泡も出ないので、神経質な被写体でも無理なく寄れる!
    で、しばらく潜り続けていると…
    ん?
    何か頭が痛い…かな?
    お!
    頭が痛いぞ!
    むむむ!!
    すっげー頭が痛い!!痛ててて!!!
    というワケで、小川の初リブリーザダイビングは終わりました。
    ダイビング後の担当者へのご意見も正直に「排気のない器材なので、撮影にひじょうに有効。だけど、こんなに頭が痛くなる器材じゃあ、お仕事には使えないよぉ〜」っとご報告しました。
    今にして思えば、潮の早いダイビングスポットで運動量が多かったせいか、スクラバーキャニスターの容量や効率が悪かったためか分からんが、明らかに「ハイポカプニア(二酸化炭素過剰症)」な状態でした(笑)

    体験リブリーザー、再び…
    スクビーノの苦い経験から10年近くを経た2005年、マリンダイビングの取材で以前からお世話になっていた小笠原・父島のダイビングサービス「フィッシュアイ」にプライベートの撮影として訪れた。そのときに目にしたのが、ドレーガー社のドルフィン。
    聞けば、オーナーの笠井さんは、日ごろのスクーバダイビングでは飽き足らず、テクニカルダイビングの分野に秀でたダイビングサービスを目指し、その一環でリブリーザーにも力を入れているとの事。さらに話を聞き進めると、水中撮影の分野にも明るい笠井さんならではのリブリーザーにおける水中撮影の可能性…みたいなお話になり、気がついたら小川はドルフィンを背負い、体験リブリーザーとして、いざ、エントリー!!
    以前の経験がトラウマとして「また激しい頭痛に襲われるのでは…」と思いつつ潜り続けていると…
    すっげー!静か!!
    今まで聞き慣れていた「シュー、ゴボゴボゴボ」がまったくしない世界。
    音もしなければ、泡も出ないので、神経質な被写体でも無理なく寄れる!

    以前と同じ感動。

    で、しばらく潜り続けていると…
    ん?
    頭が痛い…かな?
    ぜ〜んぜん大丈夫!快適、快適!楽しいじゃん!
    というわけで、更なる撮影への可能性を抱いて2度目の体験リブリーザーを終えることができました。
    ん〜、いいね〜リブリーザー!


    新たなる挑戦!?
    小笠原での撮影も体験リブリーザーも終わり、何とかしてリブリーザーを水中撮影のアイテムとして導入したい…と思っている矢先、日本写真家協会の会報から一つの募集記事に目が留まった。
    文化庁・新進芸術家研修制度
    内容は、新進芸術家等に日本国内の専門研修施設での研修のほか、研修生の創意工夫を活かした研修の機会を提供とする制度。写真師・小川的に解釈すると、「水中写真芸術の進歩と発展のため、今までにない潜水技術や潜水器機をしかるべき教育機関で研修し習得し、新たなる水中写真表現を求める」という解釈のもと、(社)日本写真家協会の推薦を取り付けて、文化庁に応募しました。
    なんと、一次審査を通過、二次審査の面接となった。
    「面接」されるのって、もの凄く久々のこと。えらい緊張しました。
    面接会場に入ると……約20人対、独り! もの凄く多勢に無勢状態!
    面接ではリブリーザーを含む、テクニカルダイビングの導入による、水中写真分野での新しい可能性について得々と語りました。
    審査官の一人が…「で、君のやりたいのはアートなの?サイエンスなの?」という質問。
    だめです…アートだのサイエンスだのと垣根を建てる人たちに、音楽や絵画、彫刻などの芸術がわかっても、写真芸術がわかるはずがありません。
    そもそも、写真芸術の発展は先進技術に関わるものが多いのですから。
    絵画の世界から、カメラ・オブ・スクラなる複写技術が発明され、アスファルトを感光版とする技術が生まれ、銀板、湿版などを経て感光剤が進歩し、加色混色の技術を活かしカラー写真が生まれ、フィルムを撮像素子に置き換えることでデジタル写真に進化した写真表現の世界です。
    その写真の進歩のなかで生まれた水中写真という分野の撮影に関する新技術の導入なんていうものは、文化庁の審査官には理解されるはずがありませんでした。

    以上、負け犬の遠吠え(笑)

    完全玉砕!!

    ネバーギブアップ!(笑)
    お役所の堅い頭に玉砕された写真師・小川。こう見えて結構繊細な心の持ち主なので、理解を得られなかったことにしばらく凹みました。
    それでも、リブリーザーのあの感覚、サカナがストレス無く自分を取り囲む感覚が忘れられず……、再度、2008年2月、小笠原のフィッシュアイ、笠井さんのもとへ足を運びました。
    で、はじめちゃいましたリブリーザー講習。
    水中撮影の手段として、こんなに良いアイテムは無いという信念で…
    さらに、こんなに良いもの、こんなに楽しいものを紹介しない手てはない、みんなで広めたいなどと考えて、水中写真の専門誌、月刊「マリンフォト」(2008年6月号)の誌上にも紹介してみました。
    MP98-6
    月刊「マリンフォト」2008年6月号の紹介はココ

    と、いうわけで、写真師・小川は小笠原の海でリブリーザーのお稽古をやることに……講習の様子は次回(いつになるのやら…)紹介します。

    ではでは

    【警告】本ブログ内に記載されている潜水方法、撮影方法の記述は写真師・小川保の体験や経験をレポートしたものです。あくまでもレポートとしての発表であり、取扱説明を目的としたマニュアルではありません。よって本記述事項を活用して起こった損害や障害に関して当方では一切の責任を負いません。
    【2009.03.14 Saturday 10:40】 author : tamon-s | 機材のおはなし | comments(0) | - | - | - |
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