写真師徒然〜小川保の写真的日常〜

水をテーマに撮影を行っている、写真師・小川保のブログです。ファインダーを通して見つめた日々のことを書きつづります。
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FinePix S5 Pro 体験会&セミナー
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    印刷に適したRGBデータの作成とは?

    FinePix S5 Pro体験会&セミナー、行ってきました。
    場所はスタジオ・エビス。
    スタジオ・エビス久しぶりっす。15年ぶりくらいかなぁ。
    建物は変わっていないようだが、両サイドの雰囲気が全く変わってしまって少し戸惑ってしまった。

    1月31日に発売が決定した富士フィルムのFinePix S5 Pro のお披露目会だ。
    S5 Proについては色々なサイトで紹介されていると思うので、そちらを参考にされると良いだろう。
    写真師・小川の目的はS5Proというより、体験会&セミナーの「セミナー」の部分だった。
    お題目は…
    「印刷に適したRGBデータの作成」
    デジタルカメラで撮影してRGBのデータで納品することが多くなった昨今、富士フィルムが提唱するワークフローとはどういうものなのか、ひじょうに興味があった。
    セミナー

    セミナーの流れは…

    印刷会社で発生している品質の問題
    画像品質の問題として、印刷会社で発生している品質の問題の事例として、それぞれ作例で紹介。

    「色」に関するもの
    再度低下→RGBからCMYKへのデータ変換の過程でくすんだ感じになる。
    トーンジャンプ→滑らかな諧調が失われ、グラデーションが段々になってしまう。
    諧調つぶれ→諧調が失われ、ベタっとした調子になり、被写体の質感がなくなってしまう。

    「色以外」のもの
    ざらついた仕上がりになってしまう。
    エッジの強い仕上がりになってしまう。



    カラーマネジメント
    カラーマネジメントとは、カメラ、モニター、プリンター、CTPセッターなど各デバイスの色再現特性の差を補正することで、異なるデバイス同士で同じ(近似した)色を再現する方法。

    【カラーマネジメントの仕組み】
    画像データ〜出力物になるまでの過程
    RGB値→入力プロファイルによるRGB値からLab値へ→出力プロファイルによるLabからRGBへ→プリンタードライバー内でRGBから6色へ→出力物
    という流れを簡単な数値を例にシュミレーションしていました。

    【レンダリングインデント】
    AdobeRGBからJapanColorを例に「どのようにマッピングするか=レンダリングインデント」と称し、色空間の変換を知覚(Perceotual)、相対(Relative Colorimetric)、絶対(Absolute Colorimetric)、彩度(Saturation)の違いをグラフで紹介。

    知覚(Perceptual)
    視覚的な関係を維持した色変換。
    例→全体が100で0.10.50.75.100という色空間を持ったものを全体が65の色空間に変換する場合、それぞれの割合に応じて10.16.42.59.75というふうに変換される。
    色の印象、つながりが損なわれないような変換となり、変換する色域同士のさが大きい場合に向いている。
    ^貳姪なRGB-CMYK変換(Photoshop変換)
    一般的なRGBデータのインクジェット出力(標準ドライバー)
    ※諧調再現は良いが、彩度が落ちる

    相対(Relative Colorimetric)
    共通の色域の色を正確に再現。色一致度重視。色域外は近似色に変換。
    例→全体が100で0.10.50.75.100という色空間をもったものを全体が65の色空間に変換する場合、10.50.75はそのまま同じ色に変換され、色域外の0.100は近似色10.75に変換される。
    変換する色同士の差が小さい場合に向いている。
    DDCPを印刷物にマッチング。
    RGBデータのモニタ表示。
    ※共通空間はマッチングできるが、それ以外は色相のズレ、トーンジャンプが発生する。

    絶対(Absolute Colorimetric)
    共通の色域の色を正確に再現。色一致重視。色域外は除去。
    例→全体が100で0.10.50.75.100という色空間をもったものを全体が65の色空間に変換する場合、10.50.75はそのまま変換。色域外の0.100は除去する。
    DDCPを印刷物にマッチング。
    RGBデータのモニタ表示。

    彩度(Saturation)
    彩度感を維持した色変換。
    例→全体が100で0.10.50.75.100という色空間をもったものを全体が65の色空間に変換する場合、低彩度側を基準にそれぞれの割合で0.6.33.48.65という具合に変換される。
    変換する色同士の差が大きい場合で色彩感を維持して仕上げたい場合に使用。
    Wordデータを印刷用データに変換
    CGを印刷用データに変換(Photoshop変換)
    ※彩度は良いが、トーンジャンプが発生する。

    →全てをバランスよ良く兼ね備えた色変換は難しい。

    【品質の問題が起きる推定原因】
    1、プリンタードライバーの含まれているカラーマネジメントでは、RGB画像の持つ色を適切にプリントすることが難しい。
    →彩度低下、トーンジャンプ、諧調のつぶれが発生する。
    2、一般的な画像処理ソフトのカラーマネジメントでは、RGB画像データに印象一致したCMYKデータを作ることが難しい。
    →彩度低下、トーンジャンプ、諧調のつぶれが発生する。





    品質の問題が発生する背景
    品質の問題が発生する背景としてワークフロー内での品質確認(色・諧調)の問題が指摘されていました。


    【アナログ・ワークフロー】赤字は品質確認

    撮影→現像→納品物チェック(印刷会社へ)受領確認製版集版刷版→印刷
    ※各工程での成果物で、色・諧調などの品質の確認をしていた。



    【デジタル・ワークフロー】赤字は品質確認

    撮影(加工・修正)保存(CD-R/DVDで印刷会社へ)DTP製版DDCP出力→CTP出力→印刷
    ※品質(色・諧調)の確認ができるのはDDCP出力のみであり、青色の部分での、色・階調の確認環境が確立されていない状況にある。

    【品質の問題が起きる推定要因】
    色・階調の確認環境が確立されていないために、RGB画像データmp基準が不明解・または不適切な場合がある。
    →RGB-CMYK変換や画像セットアップまで進んだところで印刷用データができていないことが判明する。→工程の後戻りが発生してしまう。




    【シャープネス処理】
    同じシャープネス設定でも出力サイズによって、シャープ感が異なる。
    出力サイズが大きくなると、強いシャープネス量が必要になる。また、印刷物の網種・線数によって適切なシャープネス量が異なる。

    【品質の問題が起きる推定要因】
    印刷会社に渡すRGBデータにシャープネス処理がされていると。
    →RGB-CMYK変換や画像セットアップ工程まで進むが、縮小時のシャープネス除去ができない。→工程の後戻りが発生してしまう。



    推奨デジタルワークフロー
    富士フィルムではI-ColorQCを使い、より最適なRGBワークフローの提案をしている。

    撮影→(加工・修正)※1→保存→※2→DTP製版(RGB-CMYK変換、画像レタッチ、ページレイアウト)
    ※3


    ※1 RGB画像データの作成
    画像データの色再現、階調再現をモニターとプリントで書く確認しながら画像を作成。シャープネスはOFFで画像を作成。

    ※2 RGB画像データの品質を確実に伝達
    画像データをマスターデータとして確定し、プリンタ出力物と併せて、次工程の渡す。

    ※3 RGB画像データに印象一致するCMYK変換
    受け取った画像データの色変換の実施。印刷物の種別に応じたシャープネス処理を行う。



    ワークフローでのカラーマネジメントのポイント

    【フォトグラファー】
    最適な環境でのRGB画像データ作成
    画像データの持つ色・階調を最適に再現できるモニタ、プリンター環境で確認してデータを作りあげる最適なマスターRGB画像のプリントの作成(色見本作成)
    画像データに色見本を添えて次工程へ
    【製版印刷会社】
    RGB画像データの仕上がりに一致するCMYK変換
    画像データの持つ色・階調に印象一致する色変換。印刷種別(網種・線数)に応じたシャープネス処理。

    今後、入力デバイスの高品質化、印刷物の高品質化に伴い、重要度が増す。


    【写真師・小川の私見】
    雑誌の仕事を中心にデジタルデータの写真を扱うことがひじょうに多くなった。しかしながら、それを取り扱う出版・編集社でのデジタルデータに関する意識や取扱がまちまちで困惑する。今回のセミナーで提唱されていた内容のほとんどは撮影者たる写真家や印刷会社は理解している内容であろう(多分)。しかし、デジタルデータの入力と出力の中間に立つ出版社がそれらを理解していないのでは全く意味を成さないのである。撮影する側に知識とスキルがあっても、それを使う立場のものが全くチンプンカンプンでは…
    【2007.01.20 Saturday 10:24】 author : tamon-s | 撮影日記 | comments(0) | - | - | - |
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